シナモン、表や図など非構造ドキュメントを読み取りLLMが回答する「Super RAG」のパッケージ版を販売開始

編集部

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シナモン、表や図など非構造ドキュメントを読み取りLLMが回答する「Super RAG」のパッケージ版を販売開始

株式会社シナモン(以下、シナモンAI)は、表や図などを含む非構造ドキュメントを取り込み、LLM(大規模言語モデル)による高精度な回答を生成可能にするマルチモーダル対応の独自生成AIプロダクト「Super RAG(スーパーラグ)」をアップデートし、ドキュメントグラフ構築機能を含む、さまざまなAI機能を標準搭載したパッケージ版を、2025年1月中旬より販売開始予定であることを発表した。

シナモンAIでは、今年3月より、一般的なRAGでは困難な図表を含む営業パンフレットや事務手順書、社内規定などといった非構造ドキュメントを自動的に構造化することで、回答生成や文書生成等が可能となる「Super RAG」を、個社ごとにカスタマイズし提供してきた。

「Super RAG」は、「ドキュメント構造解析」「独自検索システム」「プロンプト最適化」といった3つの独自技術を、Azure OpenAI Serviceなど、既存のLLMサービスと組み合わせることで、正確かつ高度な回答を生成可能にするものだ。

既存の社内システムにセキュアかつ容易に連携可能な独自のAI技術(AIモジュール群)を用いることで、一般的なRAGを使用した場合約40%の精度であったタスクについても、「Super RAG」では90%超の精度を同社のテストデータ値で達成した。

また、一般的なRAG技術では、テキスト間の意味的な類似性を利用したベクトル検索を行うが、文字列が類似した無関係なコンテンツまで検索してしまうケースが多いということが回答精度低下の要因となっていた。

そこで、「Super RAG」では文書構造を解析した上で、コンテンツ単位に分割・分類し、その後各コンテンツ同士の関係をグラフ形式で構造化してデータベースに格納することにより、コンテンツ間の関係性を利用した検索を行うことで精度向上を実現する。

今回発表された「Super RAG」パッケージ版では、複雑な非構造ドキュメントを自動的に構造化し取り込めることに加え、ノーコードによるAIアシスタントの作成、ドキュメントグラフを利用した高精度な検索、各種システムやアプリケーションとの接続を提供する。

なお、2025年1月中旬の「Super RAG」パッケージ版販売に向けて、性能検証、仮運用できる試験運用版を11月6日より提供開始するとのことだ。

試験運用版は、企業が保有する既存のアプリケーション機能を活かしつつ、「Super RAG」の各種AIシステムを利用できる仕組みを低コストかつ短期間(1か月程度)で利用可能することができる。