コニカミノルタジャパン株式会社は、同社が提供するオンラインマニュアル作成・運用サービス「COCOMITE(ココミテ)」において、「AI技能伝承インタビュー」機能を開発したと発表した。
この機能は、認知科学を活用した生成AIが、技能者に高度技能や熟練技術についてインタビュー形式でヒアリングを行い、その音声データをもとにマニュアル化までを自動で行うものだ。
具体的には、認知科学の専門家である常葉大学の山田准教授による学術支援のもと、インタビューという形式を用い、質問内容に認知科学を活用することにより、効率的に「暗黙知」の「表出化」を図っている。
回答をAIが分析することで、「ひゅーん」「ひょい」といった感覚的・抽象的な表現や、集団の中で使われる特定の単語も抽出し、分かりやすい形で言語化できる点が特長だ。
なお、コニカミノルタジャパンは、ベータ版(試用・評価版)の提供開始にあたり、産学官連携にて静岡県富士市の製造業2社と常葉大学の認知科学専門家との実証実験の結果を踏まえて開発を進めてきた。
この実証実験では、マニュアル作成において、約30分間の生成AIによるインタビューを実施したところ、即座にマニュアルの下書きが自動生成された。
そして、下書きに対し、「COCOMITE」上で熟練技能者と学習者による約15分の内容の確認や修正、画像・動画の追加を行うことで、マニュアルを完成させることができたのだという。
今後は、2024年11月より、現在「COCOMITE」を利用中、またはこれからトライアルを開始する企業の中から、申込者を対象にベータ版の無償提供を開始するとのことだ。